日産 オーラ e-POWER 「世界でも十分通用する「小さくても質の高いモデル」」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

山本 シンヤ
山本 シンヤ(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
4

世界でも十分通用する「小さくても質の高いモデル」

2022.2.12

年式
2021年6月〜モデル
総評
コンパクトカーに付加価値をプラスさせたモデルの多くはスポーティな方向にいきがちだが、ノートオーラはそこではなく「小さくても質の高いモデル」と言うコンセプトを掲げた事は高く評価したい。ノートオーラを含めたノートシリーズは日本のためのプロダクトだと聞くが、個人的には世界でも十分通用する一台だと思っている。
満足している点
日本では成功しなかった「小さな高級車」を実現した事。これまでのそれと根本的に違うのは“見せかけ”だけでなく“本質的”な部分まで上級化されていると言う所だ。「高品質な内外装」、「高機能な装備」、「ワンランク上の静粛性と走り」を備えられた、日本初の“真”のプレミアムコンパクトと言ってもいい。
不満な点
1つはノートにラインアップされているカスタマイズモデル「AUTECH」とコンセプトが若干被ってしまっている事。もう一つはインパネ周りのハードプラスチックの質感や電動シートが未設定、走りと快適性のバランスなど更なる「欲」が出てしまう事。この辺りはノートとの兼ね合いもあるが、より独自性を出してほしい。
デザイン

4

基本的なフォルムはノートと共通だが、日産の新ブラッグシップEVのアリアと共通イメージを強めた前後の専用デザイン、専用のワイドボディ、17インチの樹脂加飾付アルミホイールなどの採用で、先進感とプレステージ性をバランス良くプラス。個人的には「ノートオーラの方がオリジナルデザインか!?」と思ってしまうくらい整っている。
走行性能

5

e-POWERはノートに対して最大出力(85→100kW)/最大トルク(280→300Nm)共にアップされているが、「凄く速くなった」、「力強い」ではなく、「全域で余裕が出た」と言う印象。フットワークはノート譲りで基本に忠実だが、いい意味で重さを活かしたドッシリ感がプラス。中でも高速道路の安定感は下手なミドルクラスセダン顔負けのレベル。
乗り心地

4

常用域は偏平タイヤの影響から僅かにコツコツ感はあるがそれほど気になるレベルではない。速度が上がるにつれてフラット感は高まり、ノートよりもシットリした足の動きと本来スカイラインクラスでしか採用されない3層構造シート(本革)の採用も相まって、動的質感はコンパクトハッチバックである事を忘れてしまうレベル。
積載性

4

先代でも評価の高かった居住性は新型でも継承されている。ちなみに身長170cmの筆者が前席のポジションを合わせた状態で後席に座ると、シートバックと足元スペースは拳2個以上、頭上のスペースは拳1個分の余裕があった。ラゲッジスペースは絶対的な容量だけでなく形状や開口幅にもこだわった設計で、ファミリー需要にも応える。
燃費

4

先代はモーター走行の気持ち良さは手に入れたものの肝心な1.2Lエンジンの効率が悪く燃費性能はイマイチだったが、新型はエンジンに大きく手が入ったのとモーターをより積極的に使う制御で燃費性能を大きく高めた。日常域では20km/Lオーバーは楽勝、先代では苦手だった高速走行時も30km/Lを狙えるレベルに来ている。
価格

4

価格は261.3万円〜と、Bセグメントのハッチバックとしては高めの設定だが、購入ユーザーがノートと異なるようで、値段に対するネガティブな声はほぼ聞かない。購入層はノートより若めで、「大きなクルマは必要ないが、いいクルマが欲しい」、「いい物ならシッカリとお金を払う」と言う考えの人が多いと分析している。
山本 シンヤ
山本 シンヤ
自動車ジャーナリスト
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるべく「自動車研究家」として活動を行なう。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員ワールド・カー・アワード選考委員
日産 オーラ e-POWER 新型・現行モデル

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